上田浩之のインドネシア奮闘記ブログ

インドネシア スラウェシ島 バンタエン という周りに日本人がいない地で生徒17人への自動車専門技術、ソフトスキルの教育を行い日本でも通用する自動車エンジニアに育つまでを綴ったブログ

簡単に陥ってしまう病気、それは「自己満足」という病。


2年間の授業ではガソリンエンジンの基本から、トラブルシュートまで様々な学習をしてきました。
そして現在はディーゼルエンジンについて学んでいます。
ただ、この学校にはディーゼルエンジンがありません。
今まで自動車の専門授業を行うにあたり、足りない教材がたくさんありました。
 
授業の方法で考えていること
 
どのように授業をすれば生徒達が理解をするのか?です。
 
これはとても重要なことです。
学校スタート時のこと
私が学科の授業から、実技の授業まで全てを行っていた頃
まだまだ未熟なインドネシア語で、授業をしていました。
どこまで生徒に伝わっているのかわからないので、その都度
「わかった??」
と聞いていました。
生徒は毎回
「わかった」
と答えてくれました。
そして、授業で行ったテストを実施した時
40点、45点、43点、50点
100点満点中です
結果、ほとんど伝わっていなかったことがわかりました。
定期的に確認してましたが、「わかった」と生徒達が答えてくれるので、わかったんだと思ってました。
これでいいんだと、自己満足になっていたのだと思います。
 
それで学びました。
誰かに何かを伝えるうえで簡単に陥ってしまうこと
 
自分は立派にできていると
自己満足
に陥ってしまうこと
 
しかも、やっかいなのが簡単に陥ってしまいます
そして、この病にかかると周りが見えなくなるのです
危なくスタート時はこの病にかかりそうになりました
 
だからこそ、インストラクターとしての立場で大事なこと
 
どのように授業をすれば生徒達が理解をするのか?です。
 
これが常に頭のなかをグルグルと回っていれば、病にかからなくてすみます
このテストの結果を受けて、今の自分のスキルや言葉で最大限できることを考えました
ユーチューブで動画を取ってきたり、空欄を埋めるような資料を作成したり、生徒に前に立たせて説明させたり、細かいテストを短期的に実施したり
その結果、生徒の成績もグングンと伸びました
 
そして、もう一つ大事にしていること
車の授業で大事なことがあります。
学科で学んだことを、実技で身につけるということがとても大事です。
陥ってしまう恐れがあるのが、学科ばかり勉強していざ実車になったらなにもできない
頭でっかちやろうです
これをさけるために、BLKでは
学科→実技 学科→実技
という具合に、学科で学んだことを実技で定着させます
一番早く身につける方法は体の五感を使った時です
部品を分解するとき、その部品の手で触った感触や、臭い、音などで学んだことは忘れません
体験に勝ることはないのです
 
 
今はディーゼルエンジンの授業を行っています
BLKバンタエンには、まだディーゼルエンジンの教材がありません
だからインストラクターと一緒に考えました
どうすればいいのか?
インストラクターの一人が
「前に工業高校で働いていた時に、ディーゼルエンジンを使っていたからそれを借りれるかもしれない」
といって工業高校の校長先生に連絡をとってくれました
 
 
エンジンはかからずにぼろぼろですが、学校から無事にお借りすることができました
大事なことは
教材がないならしょうがないか
と、あきらめるのではなくて
みんなで知恵を絞ってなんとか、生徒達の為に探し出すという心構えが非常に大切です
これは教材に限ったことではなく
自分が掲げた目標に対して、絶対なんとかしてやるという強い気持ちで知恵絞りだすことが重要です
 
そして、その気持ちは一緒に働いている仲間にも伝わっていくのだと信じています。