上田浩之のインドネシア奮闘記ブログ

インドネシア スラウェシ島 バンタエン という周りに日本人がいない地で生徒17人への自動車専門技術、ソフトスキルの教育を行い日本でも通用する自動車エンジニアに育つまでを綴ったブログ

バンタエン職業訓練校 第一派遣終了 

一カ月間のバンタエン職業訓練校での仕事を終えて、先ほど愛媛に戻ってきました。
48名のインストラクターを、1ヶ月間でアップグレードさせるというかなりハードな内容でしたが、愛媛トヨタ 池田さん・ネッツトヨタ南国 伊藤さん と協力しながら、現在あるリソースで最大限の結果を出すことができたと思います!
 

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バンタエン全員集合写真
 
1ヶ月間の閉校式は、マカッサルで実施しました。全員揃うと人数が多くて改めてようやったなと感じます。
 

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全員集合

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生徒視点
 
最後の活動の週は48名の評価を実施しました。評価の内容は池田さん、伊藤さんとのMTGの中で評価項目を検討しました。こちらの一般的な職業訓練校での評価方法は、ハードスキル(鬼と金棒でいえば金棒)が大きいかで評価します。しかし、私達はハードスキル以上にソフトスキル(鬼)が重要だと考えました。大きい鬼があって、初めて金棒を自在に振り回すことができます。評価項目もその考え方を中心に検討しました。
 

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①ソフトスキルの中には、人間力(5S/リーダーシップ/授業態度/人間関係)とインストラクターとして必要な能力(新しい技術・スキルを積極的に吸収しようとしている / 自分の理解した事を相手に、分かり易く伝えることができる / 相手に伝わるまで諦めずに、粘り強く伝えることができる )を設定しました。
 

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②ハードスキルの中には、ハイブリッドのテスト / 故障診断・スマートキーのテスト / PDCAの理解 / 日本語テスト の結果を項目に入れました。日本側インストラクターとインドネシア側インストラクター両方の意見を反映させ評価をしました。
 

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ハイブリッド授業

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スマートキー授業
 
 
インストラクターの中には、国立・県立 そして、自動車科・バイク科 から来ていました。今回の評価結果から言えるのは、国立の自動車科だから、評価が高いという結果にはなりませんでした。地方の県立 バイク科からのインストラクターからでも、インストラクターとして素晴らしい人材はたくさんいる事が分かりました。プロジェクトの目標として、職業訓練校のインストラクターのレベルアップをさせるという事がありますので、講師そして、評価する側の立場として、ソフトスキル・ハードスキル共にレベルの高い、育成・評価システムを立案していきます。
 
 
今回実施している、育成・評価システム のプロジェクトでは、日本側でも活かせることを多く学べました。
自らが評価制度を立案して、自らが一人一人に対して「鬼と金棒」を評価することで、人を見る目を養えました。言葉が違う国ですので、誰が何を言ったのかではなく、誰がどのような行動をしたかに焦点をあてました。他人を評価することで、自分自身を客観的に更に見えるようになりました。自分の発言に責任はともなっているだろうか? 発言と行動はともなっているだろうか? など、特に鬼の部分を中心に考えました。自分自身の鬼を大きくすることで、自分自身の影響の和が広がり、周りの人の鬼までも大きくすることが可能になると思います。
プロジェクトはスタートしたばかりです。プロジェクト期間の3年間は自身の鬼の成長をせ、影響の和を今よりも大きくしたいと思います。
 
 
今回のソフトスキルの授業では、インストラクター48名全員に課題を与えました。
48名それぞれの職業訓練校で、今回学んだことを活かして「PDCAを最低2回転」して、学校の問題を解決して下さい。と課題を与えました。
この田舎町にあるバンタエン職業訓練校で学んだ事が、インドネシア全国(西はスマトラから東はパプワまで)に展開されると考えたら、めちゃくちゃ楽しみです。
今回のプロジェクトのような「草の根活動」で、実際に現場で一緒に汗を流して、そして一緒に考えて、一緒に結果を出していくというのは、とても大変ではありますが、とてもやりがいのある活動だと感じます!!
 
 
次回は2020年の1月渡航の予定です。
内容は24名のインストラクターのアップグレーディングです。
 
今回の経験を活かして更にアップグレードできそうなので、今から非常の楽しみです!