自動車業界の変化
5月も終わり、残すところあと一ヶ月になった。
日本では車業界もものすごい変化が必要な時期が来ている。
バンタエンの田舎だから、インターネットもないので日本に帰ってきちんと仕事できるの??
と思っている人もいるかも知れない。
しかし、そこは心配ない。
今では、世界がインターネットで繋がっていて、欲しい情報は片手でスペルを打つだけで一瞬にして調べる事ができる。
それはインドネシアのバンタエンでも例外ではなく(たまに全然繋がらない時はある)、仮に今あなたに電話をしようとすれば、すぐに繋がるし、実は会社のポータルも毎日チェックしていて、今どういう実績なのか、人事がどうなったか、なども逐一チェックしている。
私の2歳の子供も、スマホを使いこなし、ユーチューブを自分で立ち上げ、好きな動画を見ている。
世界がITで繋がっていて、インターネットでは2020年に5Gがスタートするようになる。
5Gになると、今の4Gインターネットの100倍のスピードで情報をやりとりができる。
現在の4Gの時間単位で考えると100倍の情報量だ。
このスピードと情報量が可能になると、今まで出来なかった事がどんどん可能になってくる。
例えば、スポーツ番組であればリアルタイムに、視聴者の好きな角度からライブ中継を見る事ができたり、今使用している電化製品が全て繋がったり、消費者の使用状況が全てビッグデータに蓄積されたり。
という事は必然的に仕事の仕方が変わることになる。
それは、コンピューターの仕事についている人だけではなくて、車業界ももちろんそうなる。
その内街中で走っている車:車、車:メーカー、車:ディーラー、車:街 が全てネットワークで繋がる時代がもう目の前まで来ている。
自分が生きている今、時代転換期を体験できているというのは、とても嬉しいことだと思う。これからどんな未来が待っているのだろうかとワクワクしてどうしようもない。
思考を停止している暇はない
ここで何が大事なのかと考えると、自動車ディーラーで働いているスタッフとお客様との変わらない良い関係を今後も維持していく為には、時代や環境の変化とともに私たちが変わる必要がある。
それは会社を引っ張っていくリーダーだけではなく、そこで働いている職員全員がそうある必要がある。
指示された仕事だけを行うのではなく、個人単位でどうすれば、この仕事をもっと良くできるのか?を考える必要がある。
失敗した時にはなぜ失敗したのか?を考え、
成功した時にはなぜ成功したのか?も考えないといけない。
つまり、思考を停止している暇はなく、常に未来に向かって考え続けないといけない。
そうでないと、時代や環境に取り残されてしまう。
「お客様に感謝される為のツールがエンジニアという職業」だった
7月5日をもって、インドネシアのバンタエン職業訓練校の全てのプログラムが終了する。
後、残り1ヶ月しかない。
この1年11ヶ月間の間、一番に考えて事は、自分自身で考えられる生徒達になって欲しいと思って授業をしていた。
自分自身がエンジニアになる進路を決めた時のこと、仕事を通じて人から「ありがとう」と感謝されるような仕事をしたいと思った。
車なら、ほとんどの家庭で乗っているので、エンジニアになる事を決めた。
私の場合は、「お客様に感謝される為のツールがエンジニアという職業」だったという事だ。
バンタエン職業訓練校で考えてみると、「生徒達が自ら考えて成長する為のツールが自動車整備」という事だったのかもしれない。
自分で考えて行動ができる人間に育てば、これからインドネシアでも時代の流れや、環境の変化が起きた時にもきっとリーダーシップをとって、活躍してくれると信じている。
レベルの高い質問とは
5月は、そのエンジニアになる為の就職活動を行っている。
学科テスト、IQテスト、健康診断が終了し、残りは面接となっている。
まだテストは最後まで終わってないが、全力でがんばって、そして誰からも信用されるエンジニアになって欲しいと心から思う。
今月の自動車の専門授業では、ディーゼルエンジンの授業と故障診断の授業を行った。
故障診断の授業は、日本のトヨタ検定1級レベルの故障診断を行っていて、インドネシアのディーラーでみてもかなりのレベルが高い勉強をこの学校では行っている。
エンジンベンチの故障設定の入力も生徒達が設定を入れ、そして、故障診断の練習も生徒達が自主的に学んでいる。学習の至るところに自ら考えて、自ら行動するというような要素がある。
それが習慣になってくると、「これはどうなんですか??」という質問から、
「私はこう思うのですが、どうですか??」という自分の考えをきちんと提示した質問に、レベルアップしていった。
たくましくなった2人のインストラクター
短期派遣で、愛媛トヨタの柴田さん、愛媛トヨペットの日吉さんには、本当に色々なところで活躍して頂いた。
日本語の授業の実施や、自動車専門授業の実習、そして、ソフトスキルでは生徒と一緒になって、どうすれば工場がもっとよくなるのかを考え実行したり。
そして、現在では生徒達と一緒に断食にも挑戦している。
2ヶ月間のたくさんの活動の中、自ら考え、自ら行動をした2ヶ月間になったのではないかと思う。
日常の生活の中でも色々な経験をしていたようで、例えば、水バケツで体を洗うときに蛇口から、ボウフラが出て来た水で体を洗ったり、たまの外食ではジュースの中に芋虫が入っていたりと、2ヶ月の間でもたくさんの経験をされたと思う。
はやくも今週日本に帰り、それぞれの店舗に戻ることになっているが、それぞれの店舗でたくましくなった2人を見て欲しいと思う。(私は本当に何もしてないので、二人が勝手に成長しました)
大事なのは言葉で伝えることだけではない
何かを人に伝えるという事は、人間社会では非常に大事な事だと思う。
この2年間、ほぼ日本語を話さないという環境に身をおいて感じることがある。
それは、人に何かを伝えるという手段は色々とあって、その手段の中の1つが、言葉で伝えるという事だと思う。
伝えるという事に対して、言葉で伝えるという事は、100%の中の30%くらいではないのかと思う。
それはなぜか。
ものすごくわかりやすい言葉でいって、言葉では100%伝わったとしても、それはあくまで「言葉の意味」が100%伝わっただけの話しで、本当の大事な事はその「言葉の意味の後ろに隠れている」のではないかと考えるようになった。
例えば、「行動を伴わない口だけ上司」がここはこうしないといけないだろ!!とあなたを叱ったとする。
確かに言葉の意味は100%理解できる。
その上司の言葉によってあなたの行動が変わる事ができるのだろうか?
もし変わらないというのであれば、やっぱり100%は伝わっていないんだと思う。
要は伝えるという手段は言葉だけではなく、きっと言葉よりも大事な伝え方があるのだと思う。
「それは何なのか?」
考えてみて欲しい。
その答えが、今後の時代や環境の変化を乗り越えていく為の1つの要素なのだと思う。
今停電が起きて電気が全くなく真っ暗の中で活動記録を書いている。
そんな、日本からはるか離れたインドネシアで、人間社会で生きていく為にとても大事な事を学ばせて頂いた。