上田浩之のインドネシア奮闘記ブログ

インドネシア スラウェシ島 バンタエン という周りに日本人がいない地で生徒17人への自動車専門技術、ソフトスキルの教育を行い日本でも通用する自動車エンジニアに育つまでを綴ったブログ

祝 アジアンスキル 南スラウェシ大会 優勝 イックラ!!3位 イップル!


ちょうど私がインドネシアのBLKバンタエンに来て1年が経ちました。
先日、ビザの延長をマカッサルのイミグレーションでして来ました。
私の担当してくれた人が、今回も同じ人で、お互いにあれからもう一年経つんですね。と笑いました。
いつも、仕事の日も休みの日も、学校と寮とホテルの間が私の生活範囲なので、たまにマカッサルに来て久しぶりの人に会うと、時間が経つのは早いなと思います。
私が今は33歳ですので、1年間は1/33。来年は1/34。再来年は1/35。になるので、相対的に考えると早いのは当然です。という事は残り50年間生きるとしても、感覚的にいうと、残り30年もないのかもしれません。
その残りの期間で自分は何がしたいのか。何ができるのか。社会は私に何を必要としているのか。だれに影響を与える事ができるのか。20代ではあまり考えていなかった事を、30代になってよく考えるようになりました。
今までは、人に影響を与える事が少しだったかもしれません。しかし、少しずつですが、毎日の勉強や経験により、多くの人に影響を与えれるようになった気がします。
 
6月、学校は2学期が終了し、長期休暇になりました。今回は12日間、日本で過ごせて頂きました。妻と子供も約1ヶ月間バンタエンで共に過ごしたので、一緒に帰って来ました。
 
本当にたくましかった。
 
例えば、インドネシアイスラム教なので、もちろん豚肉はダメです。基本は鶏肉が多く食されています。
なので、近くの市場に鶏肉と野菜を買いに行きました。通常で売っている鶏は太るようにホルモン注射を打たれているので、現地でいう地鶏を選ぶようにしました。
たくさんの地鶏がカゴの中に入っていて、その中から一匹選びました。
鳥販売をしているおじさんが、鳥の足をおもむろに掴み、生きた鳥を逆さまにして、そのままナイフで首を一切りして、ドラム缶に入れて鳥が生き絶えるまで待ちました。
鳥も痛がってバタバタするので、血が飛び散り、着ている服にもその血がたくさんついてしまうくらいでした。
そして、そのまま毛をむしられ、肉の塊にされました。それを妻と一緒にホテルに帰って調理して、夜ご飯の唐揚げになりました。
食べづらいと言いながらも、美味しく食べる姿はたくましかったです。

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ホテルには日本のように湯船などはありませんので、毎日シャワーになります。
そのシャワーも昼はあったかいお湯が出るのですが、夕方になると水しか出ません。
しかも、海の近くともあって、海水が混じった水が出ます。しかも結構しょっぱいです。それを毎日浴びました。子供も同様に塩水です。そこで妻が言った事が、食事とか生活は問題ないけど、シャワーだけは熱いのを浴びたいと言ってました。
 
妻は、日本語を教える資格を取っていましたので、日本にいる時はボランティアで愛媛大学などで、外国人に日本語を教えていましたので、実際にクラスにも入って、日本語の授業を教える事もありました。
生徒達も少しずつ日本語でコミュニケーションが取れるようになって来ましたので、簡単な言葉は日本語でコミュニケーションをとる事も増えてきました。
 
インドネシアの方は大胆な人が多く、子供を見れば、こちらが抱っこしてようが、おんぶしてようが、剥ぎ取って連れ去って行ってしまいます。
そのアグレッシブさに子供は初めは泣きまくっていたのですが、後半になるとみんなとも仲良くなって、笑う事も多くなりました。
おそらくこの事は覚えてないと思いますが、すでに1歳にしてなかなかの経験をしていますので、きっと強い子になると思います。
 
9月には、高知県トヨタディーラーのエンジニアがバンタエン県に来ていただき、一緒に授業を生徒に教えるような予定になっています。
ですので、日本への帰省の間で現在までの活動の報告をさせて頂きました。
そして、役員会でも活動の報告をさせて頂きました。
9月に来られるエンジニアの方もとてもモチベーションが高く、早く一緒に仕事ができればと思いました。
大事なのは言葉などではなく、まずは仲良くなろうと思う気持ちが大切だと思いますし、きちんと教えるんだという思いも大切ではないかと思います。
 
冒頭にも少し書いたのですが、先日ビザの延長をしてきました。
ここはインドネシアですので、袖の下文化が非常に多くあります。
それは州職員の中にもそのような事をしている人がいます。ビザの延長にはいくつかのステップがありました。
ビザの延長に必要な就労許可というのは、取得して、すでに手元に届いていました。そして、他の必要な書類を持って、まずはバンタエン県の担当部署に行きました。
そこの担当の方は非常に丁寧に対応をして頂き、州のサポートしてくれる職員の方も紹介してくれました。
そして、イミグレーションではその州の担当の方のサポートもあるのでとても安心しました。
そしてマカッサルに行き、その担当者とビザ延長に必要な書類を見ながら話しをしました。
 
「ヒロさん、就労許可が1週間過ぎているので、オーバーステイになり1日辺り3000円のお金がかかってくるよ。なので、合計で2万円必要よ。そして、就労ビザなので、税金が1年間の延長で1300ドルかかるよ。」
と。そんなの今までも払った事ないし、就労許可は過ぎているけど、滞在許可が効いているので、そんな事ないと言っても、全然聞かない。
そして、その方のボスに連絡して、同じ場所にて話しをしました。
そのボスもその部下に言われるままにそうだと思うと。
このまま直接イミグレーションに行くとオーバーステイで捕まる可能性があるから、私が先にイミグレに行き書類を確認してくると言いました。
そして、おかしいと思いながらもパスポートと一時滞在許可証をその方に渡しました。
そして翌日、電話してもなかなか繋がらない。
その日は朝からイミグレに行くつもりだったのに、結局連絡が取れたのは夕方。
やはりお金が必要なので、自分の弟がそちらに行くので、待ってて欲しいと言いました。
私は、その一連のやりとりを新しいBLKバンタエンの校長先生に伝えていました。
校長先生はそれはおかしいと、かなり怒っていて、その州職員の弟が来ました。顔も全く似ていない。
ますます怪しい。
その来た子を校長先生の所に連れて行きました。
校長先生が怒鳴りながら、「お前はなんでここに来たんだ」するとその子は逃げて行きました。
結局、校長先生と一緒にイミグレに行き、やはりオーバーステイもしていないし、1年間の就労の税金もかからずでビザの延長ができました。
その後、イライラが収まらないので、その州職員に何回も連絡しても全く連絡が取れなくなりました。
 
先日そのような事がありました。
結果ビザの延長ができたので良かったのですが、よく考えたらとても危なかったと思います。
一番のリスクはパスポートと一時滞在許可証を一式渡してしまった事。
バンタエン県からの紹介だったので、本物の州の職員なのですが、信じてパスポートを渡してしまった事は、非常にリスクが高かったと思います。
途中途中ではつじつまが合わない返答があったり、お金を匂わせる事があったので、色んな方面からその職員について、聞き回りました。
元BLKのインストラクターでお金お金している人だったらしいのです。
先日、マカッサルの知り合いも一時滞在許可の延長で、10万円袖の下で渡したそうです。そうしないと滞在許可の延長ができないとの事でした。
日本で生活をしていると、そのような人はあまりいないのですが、ここではまだまだ沢山います。本当に腹立たしい事ですが、まだまだ良くなりそうもありません。
本当に信頼できる人かどうかを見極める目も必要ですし、もしもの為のリスクヘッジも行って置かなければなりません。あっ!と思った時にはすでに遅い場合もあるからです。
このようなお金の付き合いではなくて、本当に信頼し合えるような付き合いがしたいです。
インドネシアがもっとクリーンになれば、もっともっと成長するはずなのに、本当にがっかりした出来事でした。

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先日は、南スラウェシ州の整備コンテストがありました。
アジアンスキルという大会で、南スラウェシ州の大会に優勝すると、次はジャカルタで全国大会があり、そこでの勝者が7ヶ月のトレーニングの後、タイでのアジア大会に出場します。
そして、そこで勝利すると世界大会に出場できるという、2年に一度の大きな大会です。BLKバンタエンからは6名が出場しました。
生徒達は休みの日も学校に出て来て、トレーニングをしました。まだまだ工具や、教材が少ないので、ないものは借りたり、高校の自動車課でエンジンを使わせて頂きました。
しかもEFIではなく今頃キャブ車が試験として出題するのです。生徒達はそんな中頑張ってトレーニングをして、自信が付きました。マカッサルへの出発の前に校長先生とマネージメントが生徒達を集めました。
マカッサルでの行動についての説明がありました。
そして、マネージメントからは生徒に伝えた事は。「もしこの中で優勝したら、7ヶ月のトレーニングがある。ということはこのメンバーから1人抜けてしまう。そうなると学校としても困る事になる。その事も考えて試験に臨むようにと生徒達に伝えました。」
このマネージメントは何を考えているのか。と思いました。
今からコンテストに向かう生徒に向けて言う言葉ではありません。
本当に残念です。ミーティングの最後には、私が生徒達を集めて言いました。
今まで一生懸命勉強して来た事を発揮できるように集中して!
もしプロジェクトに問題が起こるなら始めから、出場登録してないし、登録したからには、しっかりと実力を発揮して優勝をするように!
休みの日も出て来て勉強したり、毎日レポートも頑張ったでしょ。絶対大丈夫!!
と6名に伝えました。
 
試験の内容は学科、実技、面接の3種類で競われました。
実技では3セクションあります。電装系トラブルシュート、点火系の測定、エンジン基本点検です。まずは学科では、10名の内上位6名がバンタエンの生徒でした。

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翌日には実技です。
練習では、一回も練習できなかった車での一発勝負や、初めてみた工具もありました。
他の出場者は、出場場所で出題する車や工具を使っての練習を2週間以上しています。
しかも、当日審査員の指導の元です。はっきり言うとかなり多くのハンデがあったと思います。
無事に実技も終わり結果発表。
 
見事バンタエンの生徒は優勝しました。
 
そして、3位にも入りました
合計が100点満点の試験なのですが、その点差は1位と2位の点差が0.5点、2位と3位の点差が0.5点と、本当に僅差でした。
しかし、勝ちは勝ちなので、本当に涙が出るくらい嬉しかったです。
次回はこの3名が9月に行われる全国大会に向けて特訓をして、1名が全国大会に出場する予定になっています。
この6名だけではなくて、全員が本当に毎日頑張っているので、その結果が出て本当に良かったと思います。
優勝したイクラは大きな大きなトロフィーを持って嬉しそうでした。
そして、家族の所に帰ってトロフィーの前で家族写真をたくさん撮りました。
この調子で全国大会も優勝できるようにしっかり頑張りたいです!!