上田浩之のインドネシア奮闘記ブログ

インドネシア スラウェシ島 バンタエン という周りに日本人がいない地で生徒17人への自動車専門技術、ソフトスキルの教育を行い日本でも通用する自動車エンジニアに育つまでを綴ったブログ

2017年2月 活動記録

この活動記録を書きながら、1ヶ月が経つのがとても早いと改めて感じています。 この1ヶ月間は比較的順調に進んだように思います。1学期の記録にも記入したインストラクターのAさんとの関係がとても良くなったと思います。今思えば1学期目はこの関係は散々なものだったと思います。Aさんは1週間のうち、月曜日、火曜日は無断欠勤。そして水曜日に出勤してきて、金曜日の昼頃に実家があるマカッサルに帰宅するという出勤状態でした。

授業中なのに、生徒に自分の車の修理をするように指示したり、授業中に自分だけ朝ごはんを食べたり、生徒にタバコを買いに行かせたりと。日本の学校では考えられないことばかりでした。私は、インドネシアの学校で授業をするのは初めてで、仕組みもあまりよく分かってなかったので、1学期目の中頃までは様子を見ていました。1学期後半からは自分が踏み込める境界線が少しずつはっきりしてきました。自分が見てダメだと思う所は注意しますし、意見を聞かない場合はずっと無視したりしていました。そのやり方がベストなのかどうかは分からないですが、とりあえず色んな方法を試してみました。行動をすると何かしらの結果が出ますので、その結果から次の作戦を計画します。自分一人で自動車課の生徒をコントロールできるようにはなりましたが、これからもっと良くしていこうとすると、やはりこちらのインストラクターの協力は必須だと考えるようになりました。今までAさんの行動から考えられるのは、1学期中頃まではどちらの方が力があるのかを見ていたのだと思います。ですので、あのような信じられない行動をとっていたのだと思います。それが1学期後半から2学期にかけてAさんの行動が変化してきました。当たり前ですが、月曜日にはきちんと出勤するようになりましたし、何かを依頼したい事がある時は私に相談をしてくるようになりました。表現しにくいですが、以前については、体は学校にありますが、心はマカッサルにあるような気がしていましたが、現在は体と心の両方がBLKバンタエンにあるような気がします。どこかのタイミングで私には敵わないと思ったのか、一緒に協力して仕事をした方がメリットがあると思ったのか、本当の気持ちはわかりませんが、とりあえず今のAさんとは手を取り合う事ができると思います。学校の校長先生や、副校長などのマネージメントに対しても言いたい事は色々とあります。学校は生徒達の為にあると思いますので、もし間違った事を言うようであればどんどんマネージメントに対しても言うようにしています。この2年間の間で生徒だけでなく、マネージメント側もきっちりとした学校経営が出来るようになって欲しいと思います。

 

1学期の反省として、それぞれの単元の終了時に行う試験の結果が悪かったという反省点がありました。これが1学期の課題でしたので、2学期は毎日のレポートの提出をスタートさせました。その結果、走行装置の学科試験の結果は全員80点以上を獲得しました。正直ここまでの結果になるとは思っていませんでした。定期的に生徒達が住んでいる寮を確認しているのですが、その時には、分からない所は教えあったり日本語の勉強をしたりと、非常に熱心に勉強しています。ただまだ一人だけスイッチがOFFの状態の生徒がいます。ちょっとしんどかったら学校を休んだり、レポートの作成も友達のレポートを写したりしています。補習テストを実施している時、私が席を外してこっそり戻ってきた時には、ちらっと本を見てカンニングをしたりしていました。努力をしようとしない生徒です。今はまだ、この生徒に対してどのように対応をしようかと考えている所です。生徒の夢や目標を聞くのがいいのか?なぜ努力をしようとしないのかを聞くのがいいのか?自分がどうなりたいのかを聞くのがいいのか?もしくは強制的にやらす事がいいのか?理想としては、私がその生徒を引っ張っていくのではなく、周りの生徒がその生徒のスイッチを、自然とONにしていたという状況が一番いいと思います。誰かが遅れてしまった時に自然に周りがサポート出来るようになればと思います。2年間、勉強だけでなく、生活まで一緒にする仲間ですから。

 

2月に入り新しい課が入ってきました。溶接、英語、コンピューター、ホテル、オートバイ、食品加工の6つの課です。

新しい課が入るにあたり、予想通りタバコのポイ捨てが至る所に。それを見て自動車課の生徒が言います。あんな所でタバコを吸ってとか、ゴミ箱じゃないのにあそこにポイ捨てをしてとか、色々文句を言っていました。そこで私がその自動車課の生徒に言ったのは、自分達も学校に入学した当時は、タバコもポイ捨てしていたし、授業中もガムを噛んだり、イヤホンで音楽聞いたりしていたよね?それが今はそれをしている生徒を見て異常だと思える。なぜそう思えるようになったのかな?そこに改善する答えがあるんじゃないの?と返答しました。私自身は、自動車課以外の生徒についてはあまり口を出さないようにしようと考えています。そこに関しては、自動車課の生徒がリーダーシップを発揮して、改善出来るような仕組みを作っていこうと考えてはいます。

 

ここでの自分の役割は何なのだろうか?といつも自問自答しています。インドネシア国内で179校ある職業訓練校の中で、BLKバンタエンを一番の学校にしたいと考えています。自動車整備についてはもちろんの事、人間性やリーダーシップ、5SやPDCAに関して、どこにも負けないような学校にしたいです。そしてそれが継続できる為の仕組みが必要だと思います。それぞれ一人一人が自主性を持って行動が出来るような仕組みです。その仕組みをまずは自動車課で作っていきたいと思います。それがやがて他の課の生徒にも影響して、学校の生徒やスタッフ全員が出来るようになる事がなればと思います。