上田浩之のインドネシア奮闘記ブログ

インドネシア スラウェシ島 バンタエン という周りに日本人がいない地で生徒17人への自動車専門技術、ソフトスキルの教育を行い日本でも通用する自動車エンジニアに育つまでを綴ったブログ

2月の活動色々-生徒達大活躍-


自ら考える
 
残りの6ヶ月(4学期)からは、インストラクター主体で授業をまわしていけるように準備しています。
今までは、私から生徒達やインストラクターに対して、気になる事を直接伝えていたのですが、今回からはなるべくインストラクターに考えさせて、そこから自分達の言葉で発言をするようにしています。
インストラクターの中で、1人リーダーとして活躍してもらう人を決めました。
なので、気が付いた事は伝えるようにしています
 
・私が毎日工場を見回って、ここが汚れているけどなんでなの?
・なぜここが整頓されていないの?
・授業をすすめていく段取りが悪いと思うので、もっと効率よく時間を使うためにはどうしたらいい?
インストクターが率先して役割を果たしてないと思うけど、何が原因だと思う?
 
など、嫌になるような質問を毎日しています
問題に対して自分で考えてもらって、他のインストラクターに役割を分担したり、対策を考えたり、全体でのミーティンを実行したりしています。
私が本店のアドバイザーだった頃、よくサービス副店長が毎朝工場を見回して、リーダーや朝礼の場で問題を伝えたりしていました。今となってはその気持ちがものすごくわかります。
学校での1日を見てみると、段取りや、工場や学校の5Sについて、まだまだ気になるところばかりです。
気になった事は全部伝えるようにしているので、伝えられる方は耳が痛いだろうな。と思いながら伝えています

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自分達で寄贈して頂いたキャディーを気持ちを込めて綺麗に塗装しました。
 
小・中学生と一緒に掃除・掃除・掃除
 
社会貢献活動にも少し変化が出てきました。
今回の地域清掃からは、地域の住民、小学生、中学生を巻き込もうと考えました。
それには理由があります。
この学校に携わるようになって、どこでもゴミを捨てていた生徒達が、この2年間でどこまで変化するかという、自分なりの挑戦をこっそりしていました。
2年間という期間があるので、インストラクターも、生徒も全員良くなるように変えたいと思いました。
それから現在まで、1年7ヶ月経ちました。
ゴミについてフォーカスしました。
 
・学校の中では全員ゴミはゴミ箱に捨てています。ゴミが落ちていると自らゴミを拾う事ができます。
・学校の外では、私がいればタバコも、ゴミもゴミ箱に捨てます。
・学校の外で、私がいない場合2〜3割の生徒がゴミ箱でない所にポイ捨てをします。
 
検証結果
・2割の生徒は元々ゴミ問題に対しての意識があり、ゴミ箱にゴミを捨てる生徒(この環境から卒業しても、おそらく継続し続ける事ができる)
・2割の生徒は、1年6ヶ月間教えても、だれも見ていない所ではポイ捨てをする
・6割の生徒は、1年6ヶ月間で、だれも見ていない所でもきちんとゴミ箱に入れる事ができる(この環境から卒業した後、他からの影響でどうなるかわからない)
 
という結果になりました。
要するに、
・2割の人間は継続できる生徒。
・2割の人間は卒業した後、元に戻る生徒。
・6割の人間は環境によって、良くもなるし、悪くもなる生徒
 
この結果はゴミ問題だけではなく、時間について、しつけについて、仕事や私生活においても当てはまるデータではないかと思います。
20歳前後の学生11名、40歳前後のインストラクター6名からの私の感覚的なデータです。
これは年齢に大きく左右されると思います。
年齢が若くなるほど、6割の人間は良い方向に変わると思います。
どこがラインかと考えると、ポイ捨てした時に罪悪感が残るかどうかが、きちんと身についている証拠だと思います。
 
分析結果、
 
バンタエン県、まずはこの村から良くするには、年齢が若い頃からの教育が必要だと思いました。
 
ゴミを捨てなくなると、ゴミだけでなく、他の影響も大きく与えられると思いました。
 
 小学校と中学校から月一回の合同での地域清掃をスタートさせました。
 
職業訓練校の学校から、小学校、中学校当てに手紙を書いてもらい、それを小学校と中学校の校長先生に持って行きました。そして、地域清掃の必要性を話しました。校長先生も地域清掃について頭を抱えていたようです。
地域住民が幼稚園の周りにゴミを捨てていくので、なんとかならないかと考えていたそうです。
お互いが掃除の大事さについて共有できたので、毎月の地域清掃をスタートしました。
この地域は特にゴミがひどく、掃除のやりがいがありました。
プラスチックやたばこの吸い殻はもちろん、子供の使用後のオムツなど色んな物が捨てられています。
子供達は素直で、10個拾ってねー。っと言ったら、一生懸命ゴミを拾ってきて、自慢そうにみせます。
BLKの学生にとっても、地域清掃のリーダーとしてやりがいが持てれたらいいなとも思っています。
まずは、この地区をしっかりする。という事を根ざしてやっていきます。
 

 
BLKバンタエンの生徒達 大活躍
 
インドネシア職業訓練校では、全部で179校あります。そして、国が直轄で持っている所は17校です。
その職業訓練校の中で、自動車科の中心になるのがジャワ島のバンドゥンという街にあります。
ここはバンタエンとは自動車科の規模が違っていて、バンタエンが現在2年間で16名の生徒を卒業させるのに対して、バンドゥンでは、1年間で700人近い卒業生を排出しています。
 
先日労働省の本省から依頼がありました。
愛媛トヨタで研修を受けた4名の生徒、インストラクターの日本での活動、バンタエンでの活動を、バンドゥンの職業訓練校でプレゼンテーションをして欲しいとの依頼がありました。
生徒、インストラクターの4名が、直接BLKバンドゥンのマネージメント、インストラクターにプレゼンを行うというのはすごい事です。それほど、この活動に興味をしめして頂いており、良い結果を残せているのだと思います。
どのようにしたら、相手に響くのか、なにを伝えたいのかなど、プレゼンテーションの構成からみんなで考えて作りました。
当日の予定では、4名のプレゼンが、朝10時からスタートして、12時には終了という予定だったのですが、1人目が終了してからの質問がありすぎて、12時になってようやく1人終了しました。
最終終了したのが、17時でした。そのくらい興味を持って聞いて頂きました。
これは生徒達の頑張りがあったからこそで、本当に素晴らしい内容だったのではないかと思います。
 
その後、学校内を見て回りましたが、学べる教材がとてもたくさんあり、お金がかかっていると思いました。
バンタエン職業訓練校以外の学校は、自動車科も含めて1ヶ月〜3ヶ月で卒業をするようなプログラムで構成されています。その履修時間を終えて、資格試験を受けて卒業。そして、就職だそうです。
バンタエン職業訓練校とは違うのは、2ヶ月で学べるのは、ガソリンのエンジンだけとか、1ヶ月で学べるのはブレーキだけとか、細かく分かれています。そして、一度に自動車の事を全てを学ぶ事ができず、一つの科を履修すると、来年まで待たないといけません。
ガソリンエンジンを学んで、次ブレーキについて学びたい時は来年入学試験から、というようになっています。
全ての車の事を学ぼうとすると、7年掛かる計算になります。
なので、ここは資格を取らせる為の学校なのだと思いました。
期間も短いので、できる事は限られていると思いますが、バンタエン職業訓練校とは大きく違っていました。
 
バンタエンの職業訓練校では、自分達でPDCAを回したり、その中でプレゼンテーションをしたり、ディスカッションをしたり、授業においても自分の意見を発表できる環境があったり、生徒自らがリーダーになって他の科に掃除の大事さを伝えたりと、たくさんの事を実施しています。
要するに、
 
アウトプットをとても大事にしています。
 
きちんとインプットしていなければ、アウトプットする事はできませんし、アウトプットする事によって、インプットでは学べない様々な事を学べます。
そのインプットとアウトプットの違いが、BLKバンタエンと他の職業訓練校の大きな違いだと思いました。
そう考えるとBLKバンタエンはリーダー育成に向いた仕組みが沢山できているなと思います。
この重鎮達の前でのプレゼンテーションは、生徒達にとってものすごいいい経験になったと思います。今後の彼らの成長に期待したいです。
 

 
全員アクティブに動く事
 
PDCAでは各グループに分かれて、SSTの管理システムを作成したり、愛媛トヨタから寄贈して頂いたキャディーをきれいに塗装したり、エンジンベンチを改良して、トラブル設定をスイッチ一つで入れるようにしたり、各グループに分かれて、全員がアクティブに動いています。
 
授業に関しても、2月はオートマチックトランスミッションの授業を行いました。
オートマチックトランスミッションの構造から、ギヤが入った時にはどのクラッチとブレーキが入るのか。3速が入らない時は、どのクラッチに問題があると推測できるか。そして、実際にトランスミッションを何度も分解して、構造研究からのグループ毎のプレゼンテーション、そして、実技、学科試験と、私からみてもかなりレベルの高い授業と試験をしています。
そして、まじめに勉強しているので、ほとんどの生徒が理解できている事がすごいと思います。
 
任期が終了するまでに、まだまだやりたい事がたくさんあります。
そのやりたい事は残りの5ヶ月間では、全て終わらないと思います。
これからカギになるのは、一緒に継続していくインストラクターだと思いますので、インストラクターに焦点を当てて、自分達だけで改善をし続けるような仕組みを作っていきます。
 
海と山に遊びに行きましたー
 
山めっちゃ爽快

海めっちゃきれい