上田浩之のインドネシア奮闘記ブログ

インドネシア スラウェシ島 バンタエン という周りに日本人がいない地で生徒17人への自動車専門技術、ソフトスキルの教育を行い日本でも通用する自動車エンジニアに育つまでを綴ったブログ

1ヶ月間の研修やりきりました!!



愛媛トヨタでのインターシップスタート
 
愛媛トヨタでの約1ヶ月間のインターシップ(On The Job Training)は、あっという間に終了しました。それはきっと、この1ヶ月間がとても充実したものだったからです。
今回のOJTの目的は、4名の日本研修に選ばれた生徒達とっても、私にとってもそれぞれにありました。
4名にこのOJTの目的をヒアリングしてみると、日本に直接来て、日本の文化、日本人の規律についてを自分の目で直接見て、感じたいというは共通していました。
 
百聞は一見にしかず
百見は一体験にしかず
 
という言葉にあるように、体験するという事はとても多くの事を得る事ができます。
簡単な掛け算にすると、一体験は10000回聞く以上に効果があるという事になります。
体験というのは、聞いて、見ることはもちろんの事、その場の空気や、手に伝わる感覚、瞬間瞬間に浮かんできた事、など体験する事による効果はとても多いのだと思います。
 
日本に到着して、一番最初に感じた事は
 
寒い
だそうです。
そして、2番目に感じた事は
みんな歩くのが異常に早い
だそうです。
 
ちなみに、私がインドネシアに行って、一番最初に感じた事は
暑い
です。
そして、2番目に感じた事は
 
みんな歩くのが遅いです
これも立派な体験です。
 
そうした体験から、インターシップがスタートされました。
1ヶ月間の研修は全てが有意義なものだったと思います。その中でも特に体験という事で印象的だったのは、技能コンクールへの出場だと思います。
愛媛トヨタ社内の、技能コンクールのサービス12ヶ月点検の選手として特訓をしました。
ここでは、2つの目標を立てての練習を行いました。
・1つ目は安全作業について
・2つ目はお客様に喜んでいただくには
という事を常に頭に入れての練習を行いました。
今まで、インドネシアの現地ディーラーに、1ヶ月間OJTを実施した事があるのですが、安全作業についてはまだまだです。
 

 
OJTの目標の設定
 
今回のOJTを通しての全体の目標を設定しました。
・BLKバンタエンで学んだソフトスキルを、定着させて習慣にする
・学んだ事を、粘り強く伝える事ができるリーダーシップを見につける
の2点に絞りました。
 
学校でのソフトスキルについては、グループディーラーの短期派遣エンジニアの協力もありますが、基本的には少人数です。
まだインドネシアの田舎に、日本人達がなにかを教えに来たぞ!!
ありがたい。日本人頑張れ!!
っと、学校の外からみると、おそらくこれくらいにしか思われていないんじゃないのかなと思います。
発展途上国だからという理由で、他の先進国から援助があってたすかる。これからも先進国の人達がいるから大丈夫、先進国の人たちがんばれ。
というのが、日々の生活からどうしても感じ取れてしまいます。
だから、スーパーの棚で昼寝をしたり、平気でゴミを捨てたり、当たり前のように遅刻したり、汚職する人がいたり、他色々です。
そういう国民性だからという理由でそのままにするのではなく、自分がこの国で仕事をするからには、自分が携わる小さな地域かもしれませんが、世界の発展に伴って、国民全員が前に進むような、雰囲気を作りたいですし、そのような仕組みを作りたいと思います。
約1年6ヶ月間、インドネシアで一日中生徒達と、勉強や生活を共にしていると、間違っているという事はしっかり理解していて、そして、やるべき事や向かうべき方向もしっかり見えていると感じましたので、きっと今以上に立派な国になるのだと確信しました。
ですので、この学校ではしっかりとソフトスキルを教えていきたいと感じています。
 
この目標にした理由
 
・BLKバンタエンで学んだソフトスキルを、定着させて習慣にする
・学んだ事を、粘り強く伝える事ができるリーダーシップを見につける
の2点に絞った理由は、
今現在は私自身が学校にいるので、できて当たり前だと感じています。
6ヶ月後のこのプロジェクトが終了した後でも、更に改善しながら、そして多くの人を巻き込む為には、自らがマネージメントをして、リーダーシップを発揮していくしか、方法はないと思います。
例えば、就職してディーラーに入った時、こちらでもやはり当たり前に遅刻し、工場でタバコを吸い、お客様のタイヤに平気で座って仕事をする。
10人その人達がいる中で、1人ソフトスキルを身につけた学生が入った時どうでしょう。1年後、2年後にはその10人の中に入ってしまう事は十分に考えられる事です。
そうではなくて,その10人を一人ずつでもひっくりかえしていける程の、粘り強いリーダーシップを発揮していけるような、影響力をもった人材を育てていきたいと思っています。
インドネシアの学校の環境だけでは、そのような生徒を育てるのはまだまだ難しいと思いますので、その補えないところをこの1ヶ月間の日本研修で身につけて欲しいと感じていました。
 
技能コンクールでは自分達が掲げた目標に向かって、妥協する事もなくしっかりやりとげる事が出来たのではないかと思います。
この1ヶ月間ではとてもたくさんの活動を行いました。
各店舗への店舗視察を行い、店舗毎にどのようにお客様に感動を与えているか、どんな仕事を行っているのか、どのような改善活動をしているか、などたくさん学ぶ事ができました。
そして、技術的な部分では、ハイブリッドの勉強や、スキャンツールの使用方法、トラブルシュート、スマートキーなど、本部のインストラクターのご協力の元、しっかり勉強する事ができたのではないかと思います。
 
 
           
 
最終の活動報告の実施
 
最後にはこの1ヶ月間の成果として、それぞれがプレゼンテーションを実施しました。
インドネシア労働省からも、この報告会に駆けつけて頂きました。
そして、報告会では生徒達の希望により日本語で実施しました。
スタート時に掲げた事にもあるのですが、生徒達の、たった1ヶ月間の短い期間の中での活動は、きっと一生の経験になったのではないかと思います。
休みもほとんどなく、学ぶ事に集中しました。
これからの人生において、きっと楽しい事だけではなくて、辛い事、乗り越えなければならない壁もたくさん出てくると思います。
そんな時には、日本での経験を思い出して乗り越えていって、欲しいと思っています。
最後になりますが、日中業務での1ヶ月間の研修でしたので、多くの方にご迷惑をおかけしたと思います。本当にありがとうございます。