上田浩之のインドネシア奮闘記ブログ

インドネシア スラウェシ島 バンタエン という周りに日本人がいない地で生徒17人への自動車専門技術、ソフトスキルの教育を行い日本でも通用する自動車エンジニアに育つまでを綴ったブログ

バンタエン生活も、はや残り6ヶ月間です


3学期が終了して
 
2年間で行う4学期のうちの3学期が終了しました。
2年間の4分の3が終了して残す所、6ヶ月間になりました。
この3学期では生徒達もインストラクターも大きく変化がありました。
 
11月の1ヶ月間は、4名の生徒とインストラクターの1ヶ月間の日本研修がありました。それ以外の残された生徒達13名は、ハジカラトヨタで1ヶ月間のインターシップを実施する事になりました。
去年8月に行なったインターシップでは、初めてのインターシップという事と、私が定期的に活動を行なっている店舗の視察に行っていたので、それぞれの一生懸命に頑張っていました。
そして、今回のインターシップは13名の生徒、インストラクターに関しては、それぞれが活躍を出来るようなグループ分けにはしましたが、インターシップついてはそんなに細かい事は説明しませんでした。
それぞれの店舗で指示待ちではなくて、自分達それぞれが、考えて自ら行動できるようになっていて欲しいという気持ちからでもありました。
それぞれの店舗でのリーダーになるインストラクターもそうで、中心になって生徒をまとめて、それぞれが自ら考えて行動できるように引っ張って欲しいという思いがこの1ヶ月間のインターシップにはありました。
この1ヶ月間のインターシップは各店舗での、エンジニア、リーダー、工場長からはとても高い評価を頂きました。
店舗では毎朝8:00から朝礼があるのですが、7:00頃には工場に来て、毎朝クリーンサービスの業者と一緒になって掃除を行いました。
店舗で働いているエンジニア達は朝はギリギリに出勤して朝礼に参加します。掃除はクリーンサービスがやりますので、自分達で掃除をする習慣はありません。そんな中でも、自分達がなにをするべきか、BLKバンタエンで学んだ事を、周りが出来ていない中、継続して行ったという事は、本当に素晴らしく思います。
自分達が話し合って、ここだけは綺麗にすると決めたみたいで、業務終了後もエアーホースは毎日ピカピカにして帰っていたそうです。
エアホースが汚れていると、床にも汚れがついたり、お客様の車も汚してしまうので、こだわりをもって掃除をしていたそうです。
日中業務では1人のエンジニアに1人生徒がついています。
インターシップで、他の職業訓練校や、高校自動車科の生徒もディーラーに毎月のように来るそうです。
その生徒達は、エンジニアの仕事がなかったら、携帯をいじったり、ゲームをしたりしながら、次に入る仕事をボーとしながら待ちます。
しかし、BLKバンタエンの生徒は手が空いた時には、他の整備を積極的に手伝いに行ったり、見学に行ったりしながら、積極的に学ぼうとしていたみたいです。
これらには、工場長達はとても驚いたようで、今までたくさんのインターシップ生を受け入れて来たが、掃除に関しても、積極的に学ぼうとする行動など、こんなインターシップ生は初めてだと、お褒めの言葉を頂きました。
各店舗での改善にも取り組みました。この結果にも私は驚きました。3店舗それぞれのPDCA改善があるのですが、1つだけ紹介します。
アラウディンという店舗では、バックオーダー部品(部品注文の納期が長くかかる部品)が店舗に入った後、お客様が入庫して、部品を交換を行うまでが、2、3週間はかかってしまうという問題がありました。
その問題を調べていくと、部品が入ってから、部品担当からサービスアドバイザーへの連絡不足と、アドバイザーからお客様に連絡を行うが電話にでないので、入庫段取りが出来ないという問題がありました。
その問題に対しても実際はどうなのか、どれくらいのリードタイムが実際にかかっているのかをきちんとデータをとり、そのデータからの解決策を考えました。
検討の結果、部品が入庫して、サービスアドバイザーに連絡するまでのコミュニケーションボードなるツールを作成して、サービスアドバイザーは部品が入庫した際には、忘れずすぐに対応できるようにしました。
部品担当もアドバイザーに対して、お客様への部品交換の段取りもスムーズに促せるようになりました。
そして、アドバイザーからは今までは電話だけを行い、入庫段取りをしていたのですが、お客様はだれからの、電話かわからないので、不信に思い電話にでないという事があり、部品が滞留しつづけていました。
そこで、予約担当から部品が入荷した際には速やかに、お客様に部品入庫した旨をショートメールにて知らせるという仕組みを導入しました。
そのようにして、バックオーダー部品の入庫から、お客様が入庫して部品を交換するまでの、期間を短くする事に取り組みました。
部品があったとしても滞留してしまうと、それがお金にいつまでたっても変わりませんし、長くおけば長く置くほど、部品が壊れてしまうリスクや、お客様が来店しなくなるリスクが高くなってしまします。
自分達で考えてこの問題に取り組み、きちんと仕組みを作る事が出来たという事は、とても自信になったのではないかと思いますし、とてもいい視点を持って改善が出来たのではないかと思います。
他の2店舗もまた別の取り組みを行いましたが、全て本当にいい内容で改善が出来たのではないかと思います。
整備をしながらの改善活動でしたので、PLANとDOまでしか十分に出来ていませんでしたので、生徒逹は学校が休みの時にも店舗に行き、きちんと継続して出来ているか、他に改善点はないのかの、チェックを行いに行きたいと言っています。
やっぱり自分逹が改善を行った事は、気になりますし、やはり大事にしたいという気持ちが芽生えるのだと思います。これは逆に生徒逹から学ぶ事が多くあったと思います。
 
ここまでは、よかった話なのですが一つだけ、残念だった事もあります。
1人だけですが、休憩時間ではないのに、タバコを吸ってリーダーから怒られた事、寝坊をなんどかして遅刻をした事がありました。
確かにそれは問題なのですが、本当に生徒逹だけの問題なのかなと考えました。私にもなにか問題がなかったのかを考えるようになりました。
 
この反省から、きちんと生徒個人個人の考えもっと知らないといけないと思うようになりました。
今までも生徒逹の事を考えていたつもりですが、つもりだけになっていたのかもしれないとも考えました。
そこから、1人約30分から1時間ほど、17名に個人面談を行いました。
長い生徒には2時間近くかけて行いました。
面談といっても、生徒一人一人の考えをしっかり聞く事を中心に行いました。そして、私の経験からもこう考えたらもっと良くなると思うよ。
などのアドバイスを行いました。
そうすると、授業全体の雰囲気も良くなり、今しっかりと頑張ろうという気持ちになった生徒もいたみたいです。
そのキーになるのは将来の夢だと思います。
いきなり夢が叶うわけじゃないので、今の毎日の積み重ねが少しずつ目標、夢に向かって近づくのだと、だから、今のこの瞬間瞬間を大事にした方がきっといいよね。と伝えました。
 
11月には愛媛トヨタから、研修車両5台、エンジンベンチ2台、他にも資機材、キャディー、工具を送って頂きました。
4学期に向けてPDCAのグループ編成もより生徒逹がそれぞれの能力を発揮できるような組織に変更をしました。
今まで個人個人で担当責任場所にしていたのを、17名を3チームに分けてスモールグループを作りました。
1学期はグループで改善をしていましたが、その中で活動する人、しない人が出て来ました。
ですので、2学期、3学期は個人個人役割を作り、それが出来て来たので、4学期はスモールグループに戻して活動をするようにしました。
今までの担当場所は継続しながらも、工場に集中して取り組めるようなグループ分けをしました。
1つ目のグループは、授業教材の作成で、研修車両を使っての教材作成、エンジンベンチでの故障設定の入力に取り組むグループです。
2つ目のグループは、SST、教材の管理を行います。今新しくたくさんの物が入ってきましたので、それを正常な状態に管理を行います。
3つ目のグループは、イノベーション、安全作業、4S、規律の維持管理を行うグループです。
以上の3つのグループに分けました。
そして、そのグループのリーダーにはインストラクーを配置して、その下にはコーディネーターとして、日本研修経験者の3名を配置し、その下に3名ずつ人員を配置しました。
3名のリーダーを束ねる役としては、改善オーナーとして1名配置し、私はアドバイザーとして、改善オーナーにアドバイスをするポジションにしました。
それぞれが責任を持って活躍できるようにしました。
私は今までは直接インストラクターに指示を行なっていた事が多いのですが、それを改善オーナーにアドバイスを行い、そこからリーダー3名に下ろすというような形になります。

   寮でのリーダーミーティング
改善オーナーからは、学校のマネージメント側にもしっかりと情報を共有して、自動車科だけではなく、学校全体に横展開を行い、マネージメントにもしっかりと、自動車科の事を把握してもらうようにしていくように考えています。
4学期は、特にソフトスキルの授業に限っては、なるべく私はなにもしないようにしたいと考えています。
自分逹で考えて、実行する。
解決出来ない問題が出て来た場合は改善オーナーに私がアドバイスをして、そこから下におろすというような、組織図にのっとった流れで進めていきたいと思います。
そうする事で、社会人として、組織についての勉強にもなるのではないのかと考えていますし、来年からインストラクターだけで自動車科を回していくような仕組みを作りたかったからです。
 
そして、残り6ヶ月間は私は0→1を作り、インストラクーに引き継ぎをしていきたいと思っています。
例えば社会貢献活動の清掃活動や、4学期に計画しています、地域住民の為のサービス無料点検なども考えています。
学校は何の為にあるのかというと、生徒逹の為はもちろんの事、地域の為にあるのだと思います。
だから、地域の為になる事を少しずつ形にしていて、地域に根付いた学校になるようにしたいと考えています。
 
先日の地域清掃活動では、清掃活動招待状なるものを作成して、村長にサインを頂き、周辺地域一軒一軒、金曜日に清掃活動をするのでぜひ来てくださいと、招待状を生徒逹と一緒渡してまわりました。
参加人数はまだまだ少ないですが、こうした小さな事の繰り返しが、いづれは大きな結果に結びつくのだと信じています。
地域ナンバーワン!
インドネシアナンバーワン!
の学校になるように、全員で力を合わせて頑張ります!