私がバンタエン県で設定した目標が少しずつ達成してきました。
去年の7月、プロジェクトが開始した時の事を思い出します。
もちろん学校運営には携わった事がありませんでしたし、言葉もまだまだ十分ではなかったので、先生達や学生とはしっかりとコミュニケーションが取れるのか不安でした。
ただ、この学校をインドネシアで一番の学校にするという、気合いだけは十分にあって、校長先生にも何回も、この学校をインドネシアの職業訓練校で一番綺麗で、生徒達も一番真面目に勉強をして、そして自動車専門科目について一番詳しく学べる学校にしたい。
と何度も話していました。
今思うと、その根拠もない目標が良かったのかも知れません。
それが今でも変わらず、ずっと考えている事で、やっぱり一番にしたいと思い続けています。
ただ、そう考えているのは私だけなのかと、自信をなくしかけた事がスタート時にありました。
私は、日本語、ソフトスキル、自動車の授業を教えているのですが、授業スタート時の授業態度に衝撃を受けました。
携帯電話をいじるのは当たり前で、ガムを噛んだり、ヘッドホンをしたり、ゴミは床に捨てたりと昔のテレビで見る不良が集まった学校のような状態でした。
しかも、生徒だけではなく、一緒に授業を受けているインストラクターまでのそのような態度で私の授業を受けていました。
そのような状態からスタートしたので、初日からおもいっきり頭を殴られたような感じで、今後が少し不安になりましたが、逆にどこまでできるか試したいという気持ちも湧いてきました。
全てが日本のようなやり方でやるのではなく、そこはインドネシア人の性格や、文化、宗教の事も考えて、授業の方法、伝え方、カリキュラムの作成なども考慮して行いました。
ただ、規律や時間に対する事だけは厳しくしました。
もし、授業に1分でも遅れてくる事があれば厳しく叱りましたし、授業態度も真面目にしていないと叱りました。過去には授業開始する時間に5分遅れて来る事が一度ありましたので、「もう授業受けなくていい、全員帰れ」と帰らせた事もありました。
その時にはしっかり私と生徒の間で信頼関係もありましたので、本気で愛情を込めて叱りました。
そのようにして、少しずつですが生徒、インストラクター達がきちんと時間を守ったり、規律正しい行動ができるようになってきました。
バンタエンの生徒は日本のように裕福ではありません。
今の自分達の勉強の努力の結果によって、今後の人生が左右されます。
ですので、勉強に対してとても貪欲です。
なので教える方も気合いが入ります。
現地ディーラーでのインターシップも1ヶ月間行いました。
ここでは、今までの勉強の成果を発揮しました。
自動車の整備についてはもちろんの事、ソフトスキルの授業で勉強した、5SやPDCAについても効果を発揮しました。
自ら問題を発見して、計画を立てて、実行をし、反省、改善を行いました。
この2年間のプロジェクトでのインターシップでは、ハジカラトヨタだけではなく愛媛トヨタでも1ヶ月間の研修を行う計画にしています。
ただ、全員が愛媛トヨタで研修を行う事ができるわけではないので、4名の研修生を選ぶ為の試験を行いました。
日本で研修を行うという事は、一生に一度あるかないかの経験になるので、生徒達は本当に真剣に勉強をしました。この選抜は自動車の試験以外にも、ソフトスキルの授業、面接の評価も全て含めた上で、誰が愛媛トヨタでの研修ができるかを選抜しました。
そして、その選抜に通過した4名が、11月1日から日本に来て、そして現在愛媛トヨタでトレーニングを行なっています。
インドネシアの田舎からやって来た生徒のほとんどが飛行機に乗る事も初めてで、しかも初めての飛行機が日本行きなので、みんな本当に嬉しそうでした。
日本では仕事はもちろんの事、日本の文化や、日本語、様々な事を学んで欲しいと思っています。
こんな質問が生徒からありました。
「日本人はなぜこんなに歩くのが早いのか?」
「インドネシアのように座ってのんびりしている人が一人もいない。」
「街にゴミが一つも落ちていない」
他にもたくさんの感じる事があったそうです。
私自身が、初めてのタイに行った時の事を思い出しました。
今まで当たり前に思っていた事とのギャップに衝撃を受けた事があります。
それまでは、生まれてから今まで、日本の事しか知りませんでした。
しかし、今目の前に広がっているのは、日本から海を越えて、遠く離れてやって来た海外。
もちろん、日本語は通じない。文化も違う、習慣も違う、考え方も違う。
表現するなら、好奇心が破裂しそうな感覚だったのを今でも鮮明に覚えています。
この4名はまさにそのような感覚なのではないかと思います。
目に入る物全てが、初めてで、嬉しくて嬉しくてしょうがない。
生徒達を見ていてそのように感じます。
この1ヶ月間の研修では、多くの活動を行うようにしています。
・本店でのインターシップ研修
・ハイブリッドやトラブルシュートなどの高度な学習
・社内技能コンクールへの参加
・1ヶ月間の活動報告
1ヶ月間の中にたくさん学べるような活動があります。
先日も生徒達に言いました。
この1ヶ月間はゆっくりする時間がないくらい、やるべき事がたくさんあるよ。
一生に一度あるか、ないかの経験だと思うから、本気で頑張って!!
そして、現在は本店の研修を行いながら、社内技能コンクールに向けて練習をスタートしました。
練習時間も十分にはありませんが、みんな日本語を使って一生懸命トレーニングをしています。
ぜひ、ここでしかできない経験をたくさんして欲しいと思います。
・本店でのインターシップ研修
・ハイブリッドやトラブルシュートなどの高度な学習
・社内技能コンクールへの参加
・1ヶ月間の活動報告
1ヶ月間の中にたくさん学べるような活動があります。
先日も生徒達に言いました。
この1ヶ月間はゆっくりする時間がないくらい、やるべき事がたくさんあるよ。
一生に一度あるか、ないかの経験だと思うから、本気で頑張って!!
そして、現在は本店の研修を行いながら、社内技能コンクールに向けて練習をスタートしました。
練習時間も十分にはありませんが、みんな日本語を使って一生懸命トレーニングをしています。
ぜひ、ここでしかできない経験をたくさんして欲しいと思います。
私自身の活動としては、日本に帰っている間実施したい事が山のようにあります。
・エンジンベンチの不具合設定の入力
・インドネシア語でのPDCAマニュアルの作成
・4学期に向けたスケジュール、具体的カリキュラムの作成
などです。
全て、この11月の間できっちりと実行しておく必要がある、重要な仕事です。
このような国際協力で非常に重要だと思うのは、このプロジェクトが終了して、日本に帰った時に、残されたインストラクターだけで、どの程度今のレベルを保った状態で継続できるのかという事です。
それが、自分達だけでも常にPDCAサイクルが常に回り、自分達だけの力で改善し続ける事ができれば、本当の意味での成功なのだと思います。
その為には、来年7月のプロジェクト終了時までに、しっかりとハードスキルと、ソフトスキル、そして、リーダーシップ、マネージメント能力を身につける必要があります。
今の生徒、インストラクターには、それがきっとできると私は信じています。
その為の一つの方法として、PDCAマニュアルのインドネシアバージョンを作成します。
この中には、改善の8ステップを盛り込みます。
・1ステップ テーマ設定の方法
・2ステップ 現状分析の方法
・3ステップ 目的、目標設定の方法
・4ステップ 問題真因分析の方法
・5ステップ 問題解決策設定の方法
・6ステップ 実行計画の立案
・7ステップ チェック、反省方法
・8ステップ 更にレベルアップする為に改善方法
この一つ一つを、このマニュアルを見れば誰でもできる、虎の巻を作る予定にしています。
このマニュアルを使用して、残されたインストラクターがソフトスキルを継続して教えれるようにしたいと考えています。そして、自分達がもっとこうすればわかりやすいなど、話し合い、更により良いものになるように改善できるようになれば嬉しいです。
私にとっても、生徒達にとってもこの日本での研修はとても大切な1ヶ月になりますので、集中して本気でやりきりたいと思います。