上田浩之のインドネシア奮闘記ブログ

インドネシア スラウェシ島 バンタエン という周りに日本人がいない地で生徒17人への自動車専門技術、ソフトスキルの教育を行い日本でも通用する自動車エンジニアに育つまでを綴ったブログ

2016年10月 活動記録

学校の自動車課が開講して3ヶ月が経過しました。

少しずつ生徒達にも、私の考えが伝わってきたように思います。

特に時間について、掃除については厳しく言っています。

ただ伝え方がとても重要で、生徒達に伝える時にはその理由も一緒に伝えるようにしています。

時間を守る事がなぜ必要なのか?5Sはなぜ行う必要があるのか?

ただ、守らないといけないとだけ伝えると強制的になり、現在は出来ていたとしても私がいなくなるとまた普段の状態に戻ってしまう可能性があるからです。卒業後はインドネシアのディーラーに入る可能性があり、そこには日本人はいません。そうなると、自分の志を高く持っていないと、周りに影響され元の状態に戻る可能性があります。

ですので、何かを伝える時には理由も一緒に伝えるか、もしくはなんでそうなっているのか?問題の真因にたどり着くまで、質問攻めをします。そうして自分自信が出した答えというのは、外から与えられる影響よりも継続しやすいように思います。

なによりも効果的だと感じるのは、私自身がやってみせるとゆう事がとても大切だと感じました。

 

先日は自動車課のトイレが汚れていました。誰かがいつか気づいて掃除をしてくれないかと何も言わずに待っていましたが、ここはインドネシアですので、そう気づいて掃除する人は一人もでてきませんでした。ここで、選択肢が出てきます。

生徒達に掃除をしろと指示をするのか? これをみてどう思うか質問するのか? 私自身が掃除をするのか?生徒と一緒に掃除をするのか?

おそらく選択肢は一つの問題について一つではありません。その選択肢を見つけ出す考えも必要ですし、その選択肢から何を選ぶかで大きく結果が変わってくる可能性があります。ですので、何かを決定して行動する時には慎重に選択するように心がけています。

 

先日のトイレの掃除については、私一人で掃除を行いました。一番最初は自分自身が手本になって示す事が一番伝わると思ったからです。

トイレ掃除は床、便器、壁など1日かけてピカピカにしました。汗をダラダラ流しながらトイレ掃除をする変な日本人の姿は生徒達には強く印象に残ったようで、それくらい掃除を大事にしていると伝える事ができました。

そして、トイレ掃除だけではなく、トイレを汚れないような工夫も行いました。トイレを掃除しない事も問題ですが、それよりもトイレが早く汚れる事が更に問題でしたので、インドネシアではありえないですが、トイレを土足禁止にしました。

トイレに入る時は必ずサンダルに履き替えてトイレに入り、トイレから出てきたら、サンダルを元の位置に戻す。もちろん、次の人が履きやすいように向きも揃えます。

正しい状態で写真を撮り、写真と文章で「トイレに入る時はサンダルに履き替え、使用後は元の位置に戻す事」と明記しました。

トイレの掃除用具の位置を決めて、正常な状態を写真に撮り壁に貼り付けました。人は誰でも面倒な事はしたくないと少しは思います。ですので、なるべく面倒くさくないように、使用頻度に応じて、掃除用具の種類や、位置を考えました。そして、元に戻さないと気持ちがよくない方法を考えます。掃除用具が適当に置かれていると、元に戻さなくても何も感じませんが、掃除用具の名前、そして写真が添付されていると、元に戻さないと少し罪悪感が発生します。そして、少しでも違う位置に戻すと私が指摘します。

 

トイレ掃除の一件から約一週間が経ちました。そこで問題が起きました。トイレのサンダルが正常の状態から反対を向いていました。

そこで生徒達全員を集合させ、これは誰がやったのか?と追求しました。生徒の一人が手を挙げました。

この写真とここに書いてある文字は読めないのですか?とちょっと意地悪な質問をしました。生徒は今後気をつけます。といって反省をしました。それからは一度もサンダルが反対になる事はなくなりました。ここでは、誰がやったのか?まで追求する方が効果的なように思いますので、なにか異常が起こるたびに、全員を集合させてだれがこれをしたのか?今後はどのようにしていくのかをその場で答えさせるようにしています。最初の反応はちょっと濁して返されていましたが、いつ改善するのか?を何回も何回も私に追求され、生徒もそれがしつこくて嫌みたいなので、私に言われないように考えて行動をするようになりました。

 

授業に関しては走行装置のリヤブレーキ、サスペンションはすでに終了し、現在は駆動装置のディファレンシャルとマニュアルトランスミッションを行っています。リヤブレーキドラムのブレーキシューの分解組付けでは、女子生徒も7分程でシューの交換ができるようになりました。授業ではどのようにするとやる気になって取り組む事ができるかを考えています。

ドラムブレーキの分解組付けでは、トーナメント方式にして、生徒の中で誰が一番早く、正確に作業ができるかを競いました。

終了時に4Sをしなければプラス1分。工具を直接床に置くとプラス30秒など、ゲーム形式にして工具の使い方、4Sなどを体に覚えさせるようにしています。

マニュアルトランスミッションでは、ギヤの一つ一つまでバラバラにして、それぞれの部品名称、役割、構造研究をグループ毎に行いました。シンクロナイザーリングの役割は?もし破損するとどのような現象が起こるのか?私がお客様役で質問攻めにします。

それを実際のマニュアルトランスミッションで説明させます。このお客様役をするとゆうのは、非常に効果的で構造を詳しく知っていないとわかりやすく説明をできませんし、言葉遣いも気をつける。そして何より実践的なので、生徒のモチベーションがあがります。

 

マニュアルトランスミッションやディファレンシャルに関しては、私もとても勉強になりました。生徒に教えるので、自分自信がもちろん構造については詳しくないといけません。日中は朝から夕方までは授業をしますので、休みの日に学校でマニュアルトランスミッションやディファレンシャルを久々にバラバラにしました。日本ではオートマチック車が主流になっているので、ここまでバラバラにしたのは専門学校以来です。ここまで分解をすると、構造研究がとても理解しやすく、それぞれの役割や、もしこの部品に異常が発生するとどのような現象になるのか?とゆうのが推測をしやすく、修理書などを見て理解するよりも、実物の方が記憶に残ります。

改めて感じるのが教材があるのが本当に大事なのだと感じました。部品をよく見て、構造を研究する。役割を推測して、答え合わせをする。そしてお客様役の人にその構造をアウトプットする。インプット→アプトプットまでを行う事によって、自分の理解の不十分な所、苦手な所を明確にし、インプットから繰り返す。そのような授業スタイルで今後進めていこうと考えています。

 

残り3日で1学期のシャシーが終了します。シャシーの授業終了後には、テストを行う計画をしています。

現在このテスト問題の作成をしています。テストの内容を考え、解答用紙を作成し、評価欄も作成します。フォーマットから作成し、それをインドネシア語に翻訳する。といった作業を行っています。なかなか大変な作業ではありますが、こう自分で色々とやってみると、インストラクターの大変さとゆうのを身にしみて実感します。自分がここまで成長できたのは、決して一人だけで成長できたのではなくて、本部のインストラクターや、店舗で関わって頂いた方達がいたからこそ、ここまで成長できたのだと思います。BLK BANTAEBGでは、はっきり言って頼れる人は誰もいません。一緒に授業を行っているインストラクターとは、基本的に考えも合いません。試験もこのようなやり方でやります。といってもそれは賛成できないと言われます。しかし、私は自分のやり方が正しいと思っていますので、半ば無理やりではありますが、自分のやり方を押し切っている状態です。他のBLKから来たインストラクターのゆうやり方で授業を行うのであれば、他のBLKにいけば学ぶ事はできます。私がここで2年間滞在し、授業を教えるとゆう存在意味を考えるのであれば、やはり私は私のやり方で授業を行っていきたいと思います。

 

最後は少し愚痴っぽくなりましたが、ここでは非常にやりがいを持って仕事が出来ています。生徒も少しずつ変化が現れてきて、自分達で考えて行動が出来るようになってきています。残りはまだ21ヶ月残っていますので、どこに行ってもやっていけるような人間に育てていきたいと思います。